国立感染症研究所は23日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」が発症した報告が、今年に入って13日までの報告が88人(うち少なくとも3人が死亡)になったと発表した。2013年に統計を取り始めてから最多だった17年の90人に迫っており、専門家は注意を呼びかけている。
SFTSは、このSFTSウイルスを持つマダニに刺咬されることで感染し、6~14日で嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血等の症状が出る。また、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴うこともあり、致死率は10~30%程度であるとされている。
同研究所によると、道府県別では山口が11人、島根、徳島、長崎、宮崎が各8人、鹿児島が7人、広島、高知が各6人と続き、中国、四国、九州の報告が目立つ。
先日「マダニに噛まれて死亡例、50代男性」という記事を出したが、こちらは「日本紅斑熱」で今回とは別であり、マダニを介し、どちらも死亡例が出ている。全国的にリスクが高まっているため、警戒するに越したことはない。
マダニは肌についてもすぐには刺咬しないため、山野や畑等から戻った際はシャワーを浴びて着替えることで大幅に刺咬されるリスクを下げることができる。
この時期のエゾシカの狩猟等では、シカにダニが大量についていることもあるため、手袋はもちろん、腕カバー等で肌の露出を極力無くすなど、積極的な予防を心がける必要があると言えるだろう。
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